今日のギター #51
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今日のギターは、マッテオ・カルカッシの「Allegretto」でした。
南アフリカ出身の作家J.M.クッツェーの「世界文学論集」を読んでいると、冒頭に掲載されているT.Sエリオットの章のなかで、音楽家バッハについての興味深い論考があった。備忘録として一部抜粋。
バッハにおいては、不明瞭なものはないし、模倣できないほど奇跡的な音の運びも一切ない。しかし音の連鎖が時間の中で実現するとき、構築の過程は有る瞬間、単なる単位の連結であることをやめる。単位はより高次の対象として首尾一貫するのだ。私はそれを類比的に、提示、複雑化、解決という音楽より一般的な概念の具現化としか言い表せない。バッハは音楽において思考する。音楽はバッハにおいて自らを思考する。
「世界文学論集」J.Mクッツェー 16頁