Ｋは平日の閉館一時間くらい前の空いている図書館が好きだ。ぼくを肩に乗せて、自転車をびゅんと飛ばして行くことが多い。そんな時ぼくは必死にＫの肩につかまって風を全身に浴びる。そういやこの時間帯の図書館は、仕事をする人たちもなんだかゆったりとし…

今日の札幌は曇り、蒸し暑い日だった。Ｋは自宅で暑い暑いと言いながら、調べ物やインターネットをぱちぱちやったりしていた。お昼になると、こう暑いとそうめんの消費量が増えるなぁと、ずずっーとすすりながら呟いていた。今日の夜は、湿度が高めだったけ…

今日Ｋは、午前中に少し仕事をして、正午に図書館へ行き、その後実家へ行った。Ｋの両親は優しい人。寡黙だけど温かい父親と、明るい母親。Ｋは両親のいいところをたくさん受け継いでいるね。Ｋは自転車で向かう途中、人数分のケーキを買っていったんだけど…

煌びやかなススキノの一等地に、場違いのような古書店があった。Ｋはその古書店「北海堂」が好きだったね。お金がなくて何も買えないときも、店主はＫを邪険に扱うことなく、いつも気軽に話し相手になってくれた。洒落た会話のできる紳士、それが北海堂の店…

コロナウイルスがまたも東京都で蔓延し始めたね、Ｋ。ようやく緊急事態宣言が解除されて、みながおもいおもいの日常を歩み始めた矢先のできごと。緊急事態宣言を出したくない国家。補償のない休業要請に疲弊する国民。断言による断言、きれのよい発言で大衆…

Ｋは今日も夜九時くらいに家を飛び出して、夜の空気を吸いに行った。日中降っていた雨はやみ、昨日よりも更に涼しい空気のなかを自転車で豊平川を目指した。Ｋは豊平川が好きだった。豊平川があったから札幌という街を好きになれたと前に言っていた。どうし…

Ｋは今日も就職するために頑張っていた。焦っているのがわかるので、鳥であるこっちまでじりじりとしてきて少し疲れたな。でも、19時くらいになると頭を切り替えたのか、身を翻して20時まで開いている図書館に向かって自転車を漕いでいった。そうだよ、Ｋ焦…